一般社団法人大阪府建築士事務所協会

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・ぶらり大阪”景観”ウォーク

(4)ヤンマースタジアム長居~日本を代表する世界基準のスタジアム~

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 長居陸上競技場は大阪市が所有する陸上競技場で、1992年より5年後の第52回国民体育大会(なみはや国体)向け全面改修工事に着手し、1996年5月に改修工事が竣工。予定通り翌年のなみはや国体のメイン会場として使用されました。その後2002 FIFAワールドカップ、2007年世界陸上競技選手権大会などの国際的ビッグイベントが開催されています。また、セレッソ大阪がホームスタジアムとしても使用しています。2014年からはネーミングライツ※2の導入により、“ヤンマースタジアム長居”という名称になりました。過去には、全国高等学校サッカー選手権大会のメイン会場として使用されるなど、大阪におけるサッカーのメインスタジアムとしても活用されています。

【施設概要】
・400m×9レーンのトラックと107m×71mの天然芝フィールドを有する日本陸上競技連盟や国際陸上競技連盟公認の陸上競技場兼球技場。
・「 世界に開かれた国際都市大阪」をイメージした次のデザインコンセプトにより設計された。

・未来への飛翔-21世紀へ向けて飛びたつ鳥の翼をイメージした、弧を描いた大屋根
・メモリアルシンボル-力強い直線を描くスタンドの列柱と屋根の優しい曲線との対比
・ドラマチックスペース-光を透過する膜材と立体トラスで覆われた躍動感あふれる観戦空間。
・スタンドは全周一層式で、メインスタンド側とバックスタンド側には照明設備と一体化したアーチ状の屋根で覆われている。
・2面の大型ビジョン( 南側は改築後の1996年設置。北側はもともと改築後電光掲示だったが、2015年に大型ビジョンに変更)がある。

■「公園」の概念
 「公園」の概念はイギリス市民社会の成立と同時進行で形成されました。良好な環境を享受する権利や散歩などの運動を行う権利が市民の持つ当然の権利(市民権)として主張され、王の私的な狩猟園地(Park)を公衆の利用に開放したものが公園(Public park)の始まりといわれています。日本の市街地にある遊具があるような「公園」は英語ではplaygroundといいます。

■日本の「公園」の歴史と制度
 江戸時代には、社寺境内や馬場で鑑賞樹木を植栽し見世物小屋や射的、茶屋などが出店し賑わいをみせていました。明治に入り、神戸の外国人居留遊園、横浜の山手公園などが公園としてありましたが、居留地の外国人専用のものであり日本国民にとっての公園ではありませんでした。日本で初めて公的な制度としての公園ができたのは、1873年の「太政官布告第16号」において、旧社寺地等を接収し「公園」と評したのが始まりです。
この布告で1873年3月25日国内最初の5公園:都市公園(上野・浅草・深川・飛鳥山・芝)が正式指定され、1887年頃までに約80カ所の公園が全国で設置されました。

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