一般社団法人大阪府建築士事務所協会

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・ぶらり大阪”景観”ウォーク

(11)庚申街道~古くからゆかりのある街道~

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 佛願寺前の道は、古くから存在する街道で、庚申街道と言われています。庚申信仰の発祥地の四天王寺・庚申堂への参詣道で、四天王寺南大門前を起点として、南へ庚申堂前を過ぎ、平野区の長吉川辺町で古市街道へ合流し、明治橋北詰に至るという街道です。
 庚申信仰とは、中国の道教に由来し、六十日毎の庚申の日の夜、体内に住む“三尸の虫”が抜け出し、その人の罪業を天帝(天地・万物を支配するという神)に告げ、天帝は報告によって、その人の寿命を決めるといわれ、“三尸の虫”の行動を封じることで広まった信仰です。
 四天王寺・庚申堂には、“三尸の虫”を押さえる青面金剛童子が祀られています。飛鳥時代に疫病が流行り高僧が祈ったところ、庚申の年の正月7日、庚申の刻に青面金剛童子が現れると疫病が退散したということから、庚申の日に青面金剛童子に祈れば願いがかなうという信仰がはじまりました。
 1988年、近鉄南大阪線の立体交差事業完成を記念して近鉄と地元が「庚申街道を守る会」の起案で、近鉄大阪阿倍野橋駅東の松崎口にあるサンクンガーデンに街道の歴碑が残されています。また、北田辺6丁目にも地元有志による記念碑があります。

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