一般社団法人大阪府建築士事務所協会

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(10)佛願寺~鬼瓦伝説~

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 中井神社の北側に隣接して、2つの寺院があります。1つは浄土真宗仏光寺派に属する「天堂山佛願寺」。2つ目が、その北側少し東に入った所にある浄土真宗本願寺派の「高林山林覚寺」です。
 佛願寺は、今から422年前の慶長4(1599)年(関ヶ原の合戦の前年)の 開基と伝えられています。天堂山の山号は昔、近くを流れていた天堂川(天道川)に由来しているのではないかとも言われています。山門の鬼瓦はすごい眉で目元がほとんど隠れています。鬼瓦は、5~6世紀頃から仏教の普及とともにお寺が建てられて、その屋根として瓦の利用が増えていったようです。屋根の棟の端をかくすために置く鴟尾と呼ばれる瓦があります。日本に瓦が伝わってきた時からこの鴟尾が使われていました。鴟尾の起源については現在のところ定説はないのですが、破邪と防火を意味するものらしく、日本最古の鴟尾は唐招提寺の金堂西側の物で、奈良時代の創建当時のものが平成の大修理が行われるまで、実際に屋根に上がっていました。鴟尾はその後、鯱や鬼瓦等に発展し、単に端を隠すだけでなく、装飾用として使われるようになりました。鯱は雨をよく降らす想像上の海魚がモデルと言われ、防火のまじないや水難を防ぐとして、寺院や城の天守などに使われました。鬼瓦は、時代とともに顔の作りも変化してきました。角のついたリアルな鬼の面は江戸時代ごろからで、古くから魔除けとして建物を守ってきました。

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