一般社団法人大阪府建築士事務所協会

建築士が案内する
・ぶらり大阪”景観”ウォーク

(7)駒川商店街~十字形の商店街~
所在地/大阪府大阪市東住吉区駒川4-11-16
営業時間/9:00〜17:00
定休日/火曜日

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 駒川商店街は、大阪三大商店街(ほかは天神橋筋商店街と千林商店街)の一つで、全長730m( 東西190m、南北540m)の十字形の商店街です。針中野 駅に隣接し、「なんでも揃う、値段が安い、買いやすい」など評判でお客さんも多く、年中賑わっています。
 10の商店街で構成され、南から鷹宮南通り商店会、オレンジ通り商店会、駅前通り商店会、コスモス通り商店会、みなみ通り商店会、中央通り商店会、センター通り商店会、ギンザ通り商店会、日の出通り商店会、昭和通り商店会です。
 駒川商店街は、昭和初期に中野市場(現在は廃業)を中心として商店が集まっていましたが、戦後から高度経済成長期にかけて店舗の数が増え続け、現在の駒川商店街へ発展しています。1957年に最初のアーケード(391m) ができました。2014年に、現在のようにリニューアルされています。
 アーケードで見て楽しいのは、屋根形状がそれぞれ違うところです。駒川商店街の屋根も新しいデザインです。柱の位置が左右で違うところは、一般の建築物とは異なるところです。もともと公道であったところに雨よけ・ 日よけのために屋根を造ったもので柱の位置は、商店の境となっているため、左右の位置が違います。アーケードは、アーチやヴォルトの屋根が柱によって支えられています。世界的には古代ローマ建築から発展したようです。
 駒川商店街で、毎年7月の最終月曜・火曜の2日間行われる“駒川祭り”は、5万人以上が集まる東住吉区最大のお祭りです。さまざまなイベントが開催され、子どもたちによる“よさこい踊り”や、吉本興業所属のお笑い芸人による漫才披露など“駒川祭り”ならではの催しがたくさんあります。また、駒川商店街はサッカーのセレッソ大阪を応援しています。

■鉄道の高架(近鉄南大阪線、JR阪和線)
 東住吉区内には近鉄南大阪線とJR阪和線の高架があります。高架は、踏切をなくす必要から作られる場合が多いです。都心に通勤する人が増えると電車の本数も増えるので、ラッシュ時には“開かずの踏切”ができてしまい、このあたりも渋滞や排気ガスが大きな社会問題になっていました。この高架は「近鉄南大阪線連続立体交差事業」として阿部野橋と針中野の間の約3.4キロを高架にし、16カ所の踏切をなくしています。高架化事業はたいへん大がかりで、鉄道会社だけではとても無理なので、都市計画として実施されます。
 高架化事業は、用地の買収も必要なこともありますが、工事自体も電車が動いていない夜間に行うことが多く、線路の切り替えも段階的に行う必要があるので、工事期間が大変長くなってしまいます。この高架も昭和51年の都市計画決定から平成元年の事業完了まで約14年をかけて作られましたが、その前の準備段階を入れると20年はかかっています。全体の事業費は、約458億円かかったとのことです。

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